フランス新幹線 TGVに乗る
この日は
パリ リヨン駅から
TGVに乗って
アビニヨンに移動する日
昨日の夜にリヨン駅までのタクシーをホテルのフロントに
頼んでおいた。
パリで3泊したホテルはフロントのスタッフが毎日変わって
初日にチェックインした時の
マダーム
その時一緒にいた
気の良さそうなムッシュー
そして
アルバイトのような若い女の子
黒人のお兄ちゃんなどなど
ローテーションを組んでいるにしてもあまりにも代わりすぎ・・・
私たちがタクシーを頼みに行った時は
気の良さそうなムッシューだった
まず口頭では英語で
そして紙にはフランス語で書いて 時間とリヨン駅をしっかり強調して渡した
「 ウイ~ウイ~ 明日の朝は僕がここにいるからタクシーが来たら
部屋に℡するよ~」 と言ってくれたが(多分)なんだか信用できない感じ・・・
頼むよ~ムッシュー
これに乗り遅れたら私たち大変なことになるんよ~
翌朝 朝食に行くと
まだ準備ができておらず、みんなが待っている状態だった
実はここのレストランはいつも従業員にやたら指示をだして
こまめに動きすぎるムッシューが仕切っていた
とても個性的で気まじめに働いているのに何かおかしい・・・
いつも お皿のものがなくなるやいなやすぐに下げに来て
ちょっとせわしない・・・ほんとに
as soon as という単語が浮かぶくらいすぐなのだ
うちの主人も店で下げるのが早いので注意しなければ・・・・と思った。
とにかくずーっと指示を出しっぱなしで従業員もかわいそうだなと思っていた。
その
ムッシューがこの日はいない・・・・
遅番なのか姿が見えない。
そうなんだ、ムッシューがいないから準備ができていないんだ
この人いないとみんな働かないんだ~
コーヒーも沸いてないし、冷房も入ってない
ムッシューはすごい人だったのね
しばらくして ムッシュー登場
この状況を見て怒りだした・・・
店の女の子に
指示・指示・指示 当たり前だけどね。
このムッシューとも今日でお別れ・・・
メルシー オーボワー ムッシュゥーと最後のご挨拶をした
前置きが長くなりましたが
タクシーは時間通りにやってきた。
ちゃんとネクタイをした
ブルース・ウイルス似のムッシューだった
変な所へ連れていかれたらいやなので昨日駅までの道もチェックした
「ここで、セーヌ河沿いの道を走るんやな・・・合ってる 合ってる・・」と妹
「 まだまだ行きたいところ沢山あったなあ~」
パリの街に未練を残してタクシーは
TGV パリ リヨン駅へ
駅舎もおしゃれ~
TGVは日本のJRと違って発車するホームが
発車の10分前にしかわからない
電光掲示板を見ると電車の便名の横に
アルファベットと数字が並んでいる
私たちの乗る電車はまだ何も表示されていなかった
私たちの前には
AからEまでのホームが並んでいた
妹は電車の便と発車ホームが一致するかここで見てみようと言って
2台ほどの電車を確認してこれで合ってると言った
TGVはこの駅で切符に打刻しておかないと罰金を取られると聞いたので
打刻機のところへ・・・・
ここにチケットを入れて日付を刻印するのだが機械にチケットがうまく入らない
するとそこにフランス人の青年がやってきて
手伝いましょうか?と言ってチケットを貸してという
「 えっ、これ渡していいの?取られない? どうするどうする??」 と妹
フランスに来てから 人を見たら泥棒に思え・・・みたいな気持ちになっている私たち
いやだわ~
と思いつつチケットを渡すと上手に刻印機に入れてくれた
「 この機械、調子悪いんだ・・」 と言いながら(多分)
ほかにチケットはないか?と聞いてきた
私たちはほかにTGVから乗り換える在来線のチケットも持っていたのだが
何故か、もうないと答えてしまった (まだ、疑ってるのかい!)
「 なんか フランスに来て向こうから親切にされたの初めてやな!」 と妹
「 そしたらなんでチケット渡さなかったん???」
残りのチケットを打刻してから
ふと、電光掲示板を見て
A~E あと1~15くらいの数字のほかにH1 H2 H3
という文字を発見した
そして私たちの座っている前の
A~EはH1 になっていた
でも、乗る電車は
H3 になっていた
ここじゃない!・・・焦って私は妹に
H3になってるしここと違うよ!と
駅の係りの人にチケットを見せると
H3はずっと向こうだと・・・
急いで移動しましたよ~乗り遅れたらえらいこっちゃ
一言妹が
「 今日は 冴えてるなお姉ちゃん」 と・・・・
H3のホールは 南へバカンスに向かう人たちでごった返していた
ここの電光掲示板で確認するとちゃんと出ていた
私たちの電車は
15番ホームから出ると表示されていた
15番ホームには電車が停まっていて
次の電車やなあ~と確認して 待っていると
なかなかこの電車が発車しない
私は、もしやと思い確認しに行くと停まっていたのが
私たちの乗る
ニース行きのTGVだった。
「 これが、私たちの乗る電車やで!急ごう」 と私
「 お手柄やん~ 今日は二つもお手柄があったな 」と妹
ほめられているのか・・・馬鹿にされているのか・・・・
「 ありがとう・・・・」
私たちの席は2階だった
重たいトランクを2階まで運び荷物置きにやっとこさ置く
TGVはトランクの盗難も多く
荷物置きとトランクをつないでおく方が良いと言われていたので
私たちは自転車に着ける輪っかのカギを準備していた
だけど車内を見渡すと泥棒しそうな人は誰もいなかった
私たちの隣は
裕福そうなフランス人家族
子供はお行儀よく小さな声で話し、本を読んだりパズルをしたりしている
その隣は
上品なムッシュゥーでこれまた本を静かに読んでいる
向かいの向こう側には
初老の上品な一人旅のマダム達
みんなバカンスに行くのね~と言う感じの人ばかり
なんだかフランスに来て初めて
穏やかな安心感に包まれている
座席は妹と向かい合わせで椅子も広く
座り心地は抜群
TGVは300キロのスピードで走るのに揺れも少なく
乗り心地はとてもよかった
ちょっと高かったけれど一等にしてよかったなあ~と思った
後でガイドさんに聞いたのだがフランスの鉄道は
一等とニ等では客層が全然違うらしい。
絶対一等がお勧めと言っていた
パリから少し走ると窓の外は田園風景が広がっている
フランスは農業国なんだなあとしみじみ思うような景色がずっと続く
「 ここでは安心して昼寝もできそうやな~」 と妹
そしてすぐにうつらうつらしていた。
「 いいよなあ~すぐに寝られて・・・・」 と思ったが言わなかった
パリリヨン駅から2時間40分で
アビニヨンに到着予定
つかの間の安息を楽しむ私たちだった。